3/30 練習日記
こんにちは、ユーフォニアムのAです。今日は寺田先生に、パリのアメリカ人とミシシッピ組曲をご指導いただきました。パリのアメリカ人は、全体を通してテンポが頻繁に変わり難しい曲なのですが、寺田先生から、ここはパリの街を我が者顔に走るタクシードライバーがクラクションを鳴らしたくてたまらないところ、ここは歩行者が驚いたところ、ここはテンポが変わる部分などと細かにご指導いただき、さまざまなストーリーがひとつの曲に盛り込まれていることを感じながら練習しました。
昨年9月の演奏会で演奏した、イギリス人作曲家エレビーが1990年代に発表したパリのスケッチもパリのあちこちを表現した素敵な曲でしたが、その約70年前、作曲家ガーシュウィン自身がドーバー海峡を挟んだだけのイギリスよりもさらに遠いアメリカから、原題An American in Parisのように、ひとりパリを訪れてワクワクして全てが新鮮でドラマティックに感じた気持ちが表現されている曲だと思います。作曲された1920年代は、第一次世界大戦で戦地になったヨーロッパは復興期、戦地にならなかったアメリカは経済的にも豊かなジャズエイジ、アール・デコのデザインは現代につながるまさにモダンな時代でした。パリのアメリカ人は曲の各所にジャズの響きがあり、ジャズ好きなわたしは演奏できとても嬉しいです。パリとアメリカ人、というと、1950年代にジーン・ケリーによるガーシュウィンの曲のミュージカル映画「巴里のアメリカ人」に続き、オードリー・ヘプバーンとフレッド・アステアのおしゃれな映画「パリの恋人」もあり(一部ガーシュウィンの曲)、映画のシーンが頭に浮かびます。
ミシシッピ組曲は、今日は時間が足りずにアメリカ横断ウルトラクイズの効果音で知られる第四楽章マルディグラ(イースター前の祝祭)まで練習できなかったのですが、この組曲もパリのアメリカ人と同じ1920年代に作曲されています。ミシシッピ川はシカゴやジャズの聖地ニューオリンズも流れ、リバーボートの船上ではディキシーランド・ジャズが演奏されていました。いかにもアメリカなリバーボートですが、我らが千葉の東京ディズニーランドで蒸気船マークトウェイン号を目にすることができます。そのマーク・トゥエインは舞台がミシシッピ川近くの19世紀アメリカ文学「トム・ソーヤーの冒険」の作者であり、トムの友達ハックルベリー・フィンの名前がこの組曲の第二楽章の題名になっています。ミシシッピ川を通じてアメリカの歴史、印象や記憶がつながる組曲です。
季節の変わり目につき、みなさま体調にお気をつけてお過ごしください!
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